フォンと啼いた マフラーは熱気で熱そうだった。 ずっと首都高を飛ばしてきたんだと男は言った 饒舌に、下品に笑いながら 女を品定めする。 お前の最高の夜にしてやるからさ。 酒臭い息でのたまった。 女はタバコを加えて マスカラを弄る。 興味ないし これからも興味が沸く事は無いだろう。 そういう意味なのに 男は気づかない。 尾骶骨が寒さで鈍痛を訴えた。 場所を変えないとお腹を壊すかもしれない。 それでも雑多な街の中には帰りたくなかった。 セックス一つで暖かい宿。 それは魅力的だが。 女は 寒い夜空が好きだと言った。